私は写真というメディアを通して、過去と現在を点と点として移ろう感覚に気がついた。
というよりも、写真はその瞬間を閉じ込めるからこそ、どのメディアよりもその感覚を鮮明に伝えるのだろう。
写真は過去と現在を一本の線でつなぐのではなく、空間の広がりを封じ込め、時間を「点」として浮かび上がらせる。

これは写真に限らず、人の時間認識にも言えるのではないだろうか。
私たちは五感を常に働かせ、記憶と結びつけている。あの人の匂い、あの日に見た景色、あの頃に聴いていた音楽、暖かい肌の温もり、初めて食べたあの味。
私たちはその瞬間ごとを鮮明に覚えていても、その前後に何が起こったのかまでは覚えていないことが多い。

そうして、時間は連続したものではなく、無数の点として存在する。
私は、五感を通じて過去の記憶が呼び覚まされるたびに、点と点を移ろう感覚を覚えるのだ。
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